バラ色プリンス

Rainy Valentine

鎧塚「…これは…チョコレートか。」

わたし「はい。」

鎧塚「…」

2人の間に沈黙が流れる。
先輩も、これをどう受け取っていいのか考えあぐねてる様子だ。

(真面目な先輩を困らせたくない…けど)

わたし「あ、あの…日頃の感謝って、後輩としては言うべきなんですけど………できなくて、すみません。…本命です。」

鎧塚「… …そうか」

鎧塚「わかった。ありがたく貰っておく」

わたし「…っあの、迷惑じゃ」
鎧塚「何言ってんだ。嬉しいに決まってるだろ」

そういって、少し照れた様子で笑う先輩

鎧塚「お前は俺にとって… …まあ…その、特別な後輩だからな。どう受け取ったらいいか、考えちまうくらいに」

そう言って、チョコの入った袋を受け取る。

鎧塚「あんまり慣れてないが…こういう感じで受け取って良かったのか?」
わたし「はい…嬉しいです」

鎧塚「まあ…チョコを貰おうが貰うまいが、お前が俺にとって大事な存在なのは変わらない。」

鎧塚「ーーなんて、カッコつけちまったが。
やっぱり嬉しいな。俺は、お前からのチョコレートが凄く欲しかったみたいだ。」

鎧塚「幸せな気持ちだ。ありがとう」

ずっと頭に描いていた先輩の笑顔を見て、私も幸福に満たされた。

鎧塚「…帰るか。乗せてくぞ」
わたし「…はい!」

雨はまだ降り止まないけど。

もどかしい関係は、きっと今日で終わりを告げる。

ーー春は、もう目の前だ。

~完~